カウンセラーの休日

この一年、全てに慎重になった気がする。
そして、なかなか一歩を踏み出す勇気がもてなくなっている。
 
けれど、悪いことばかりでもなかった気もする。
腰痛が軽くなった。
書類がだいぶ片付いた。
出かけなくても会議や研修に参加できる。
・・・
 
でも、なんだか物足りない気がしている。
 
こころが満たされていない。
こころが寂しいのだ。
 
Lessonn前日にしかケースを開けなかった楽器を、
毎日のように吹いた。
マスク生活にとっては、
深呼吸できることがありがたい。
 
ふと感じたことがある。
 
カウンセラーは、五線紙かもしれない。
 
訪れた人が、人生の苦悩や喜びを語っていく。
わたしはそれを、自分のこころに書いてゆく。
 
奇麗な旋律だったり、
激しいリズムだったり、
不協和和音だったり、
たった一つの音だったり、
休符だけのときもあるかもしれない。
 
どれもそのときに奏でられた瞬間を、
ていねいにこころに書き写してゆく。
 
カウンセラーは、
クライアントの人生の証人だと思っている。
 
誰の人生も、
人を感動させる物語だ。
 
カウンセリングルームで奏でる音色は、
こころにしみた。